新着情報

2017.09.08

中国 杭州 訪問 ①

お盆休みに中国杭州を訪れました。私と家内、当院非常勤の浜田佳孝先生(現在、月曜日の午後から手術と診察をお願いしています)の3人での訪問です。私自身は3度目の訪問で、今回の目的は昨年夏に雲南省昆明の学会に招待講演で出張した際にお会いしたwang Xin先生の寧波市第六病院の訪問です。
8月11日金曜日、関空からのANAの直行便は予定通り15時過ぎに杭州の空港に到着しました。謝先生が空港まで迎えに来て下さいました。謝先生について紹介しますと、5年前に私の開発した指の人工関節を使用したいとの申し出があり、八王子の高月整形外科病院と東京手の外科新橋クリニックの両方で人工指関節の手術見学をしていただきました。当時東京手の外科研究所は、インドネシアのHerumina病院グループからの研修生を受け入れる制度が確立していたので、謝先生も同様に杭州からも研修生を受け入れてほしいと申し出があり、故山口利人理事長を紹介しました。山口先生が先に一度訪中し、研修制度の話を進め、人工指関節の現地での使用許可も順調に進行しました。2013年4月に2人で訪問し、講演とライブサージャリ-を行いました。人工指関節トレーニングセンターとリウマチ手外科センターが設立され、山口先生と私に浙江省人民病院の名誉教授の称号を頂きました。

さて、空港から1時間足らずで市内のホテルに到着し、少し休憩した後にホテルで会食がありました。 
夕食会にはDr. 柴益民 /Chai YI-Min教授(中国マイクロ学会会長で国際的にも有名な先生です)がわざわざ、上海から新幹線で1時間かけて来て下さいました。上海第六病院の手外科の主任でもあり、手術件数は寧波第六病院より多く、何と年間20000例とのことでした。指の再接着件数年間1000例は、世界1の手術件数でしょう。謝先生の現在の肩書は浙江省人民病院の手外科・再建外科の教授です。浙江省人民病院の国際部の副主任で老年内科のFu-Ken先生は20年前頃に大阪大学大学院に留学されていたので流暢な日本語で通訳を引き受けて下さいました。また、病棟の婦長さんも静岡に留学経験があり、日本語が話せるので同席されました。Chai YI-Min教授は、中国からは年2回しか海外出張が認められないので機会を見つけて日本を訪問したいと申し出があり、人工指関節を上海でも採用したいと現地の業者も同席していました。
アルコール分の少ない飲みやすいビールと超強いお酒と杭州の伝統中華をいただき、早めにお開きとなりました。

翌日土曜日は、浜田先生と私は謝先生も同行し8時にホテルを出て車で高速道路を約2時間走り寧波に到着しました。上海とほぼ同じ距離の海岸よりの工業都市です。家内は婦長さんと日本語専攻の女学生と杭州観光へFu-Ken先生も昼食から合流し、日本語で歓待してもらえたようです。

少し遅れて10時過ぎにNingbo第6病院に到着、私服の若い医師が駐車場まで迎えに来ていました。先週は40度あったとのことでしたが、それでも当日は35度で気温は日本と同じくらいでとても暑かったです。大急ぎで院内に、そしてエレベータに乗り、40名近くの医師たちが待っていた会議室に案内されました、予定表では、院内見学と症例検討とあったのですが? 会議室の液晶テレビには Welcome
Dr.Minamikawa、Dr.Hamada とあり、予定にはなかった講演会の準備がされていました。

浜田先生は、自己紹介も兼ねた簡単なプレゼンを準備していたので、先に始めてもらうことにして、その間に、私は別のPCを準備してもらい、持ってきたハードディスクから、講演内容をゆっくりと選ぶことができたので、リウマチのPIP関節の治療と人工指関節の準備をしました。Wang 先生はじめ、英語がスムーズに通じていたのに驚きました。

PCの接続の関係で、座って講演できたのと、話し始めると、若い女医さんが中国語に通訳を始めるので、ゆっくりとしたペースで講演ができました。途中、若手医師に意見を求めることもでき、これまでにない有意義なプレゼンができたと思います。後でわかったことですが、この日の病院は休診にも関わらず、40名近くの手外科医師のほとんどが集まってくれていました。40-50分で講演を切り上げたあと、Wang 先生の上司?の先生から浜田先生と私にCertificationのプレートをいただきました。

講演のあと、一部のスタッフと病棟の見学となりました。通訳を担当していた女性と、私の講演中に英語に即座に反応していた女医さんに“How come you speak such a good English?”(どうして、そんなに英語が上手なのと聞いてみました。Wang 先生に引き継いて米国ケンタッキー州ルイビルのハンドセンターに2年留学していたとのことでした。ルイビルのハンドセンターは、屈筋腱の手術で有名なクライナートやツミンツアイ先生をはじめとするマイクロサージャリ-センターとして、外傷病院としては全米1の規模を誇り、日本からもたくさんフェローが行っています。早めの昼食会となり、年間12000例の手術を行う外来や手術室の実際を見学できなかったのが残念でした。6フロアーごとに責任者がいて、前日は45件の手術があったとのことでした。

昼食会で、英語の話せるきれいな女医さんに新しい中国を感じ、お酒が入ると一番上の先生がたばこを吸い始めて、両隣に煙草を勧めた後は、テーブルの上を煙草を放り投げて向かい側の男性の先生が受け取りほぼ全で男性が喫煙を始めました。まだ食事の途中ですよ、文化の違いも痛感しました。
昼食後、車で杭州に戻り謝先生の個人経営の老人病院に案内していただきました。玄関には英語での歓迎の横断幕がかかり、沢山のスタッフの出迎えがありました。8階建の古いホテルを改装したらしく外観はあまりきれいではなかったのですが500人収容の規模と日本の老人病院を超えた設備の充実に驚き、更には、隣の20階建てのホテルを買収済みで、近く改装に着手するとのことで、謝先生の剛腕ぶりに完全脱帽でした。

TEL:06-6632-3731メールでのお問い合わせアクセス・診察時間English
一番上に戻る