中国昆明の学会に参加して
お盆休み明けの木曜日夕方の便が上海経由で昆明の空港に着いたのは、遅延も含め午前3時過ぎ、杭州の手外科教授の謝先生が空港で出迎えて下さいました。英語ではリハビリ学会とありましたが、中国全土から集まった整形、形成外科の再建術の学会のようでした。人工股関節や膝関節の展示もあり、私は金曜日の夕方4時頃に大会場で15分の講演と翌日に、小会場で小関節グループ対象に20分の講演と予定していた30分の講演内容から、短縮して話すように当日の朝に知らされました。小関節グループの会長という女医さんのDr.Lu(天津の手外科の教授で北京を含んだ地域のトップらしく)は、オーストラリアに留学経験があるので結構英語が通じたので、大会場では人工指関節の概念と発達、症例提示でインパクトのある話とし、土曜日は手外科の先生たちが対象なのでPIPの人工関節に絞りもう少し踏み込んだ話を準備することを伝え、寝不足のなか準備に取り掛かりました。金曜午後3過ぎに謝教授と会場に向かいました。1000人以上入る大会場は、確かに大きくスライドの映写システムも立派でした。正面の学会のスライドの色使いは赤を基調とした中国らしいものでした。興味深かったのは, 演者が呼ばれて、壇上に上がるときに,“じゃじゃーん“と大音響音楽が流れることでした。また、最前列にはVIP席が指定席となっていて、中国茶のサービスがありました。25年前と2回の杭州での講演で判ったことは、ごく一部の先生以外はほとんど英語が理解できないということです。大会場でも私の講演のあと天津の女医さんがどのような内容だったかを中国語で説明していました。
会場前にて招待してくれた謝教授と1000人以上収容できる大会場、いかにも中国らしい色使いでした。
壇上に座って講演しました。 大きな会場なので左右に同じスライドが写し出されます。
(上)大会場の座席最前列のVIP席手前が天津のDr. Lu
(下)私のVIP席にセットされていたモノ
金曜日の夜は、手の外科グループの晩餐会があり、40~50人の中国全土の手外科の先生が集まっていました。私の円卓には長老(多分私より少しだけ年配?)が来られ、次々と先生たちが乾杯に来られていました。残念なことにやはり英語の壁があり、私にはなしかけてくれたのは、香港からゲスト参加の先生と上海近郊のNinbo第6医院という巨大病院の手の外科チーフのDr. Wangの2人だけでした。Dr. Wangは米国留学経験もあり、流暢な英語で私の人工指関節を1日でも早く使いたいと申し出がありました。彼の病院は手外科のスタッフ医師が30人、レジデントなどを含め50人の医師で500ベッド年間手術件数が12000件ということでした。中国1の手の外科センターとは聞いていましたが信じられない規模です。上海を含めて医療圏内に1億人以上の人口だそうなので、当然かもしれません。一度は訪れてみたい施設です。9時過ぎにはお開きとなり、部屋に帰り土曜日の講演の準備にかかりました。
乾杯中のDr. Luと隣の長老たち 土曜日早朝のDr.Luの講演のPyro carbonや人工手関節のスライド
土曜日は8時からの講演でしたが、会場の案内が間違っていて、先にDr. Luが話しており3番目の講演としてPIPの人工指関節を主として“It is your time to start rheumatoid hand reconstruction”の演題名で話しました。症例とvideoなど視覚に訴える内容にしたので、結構真剣に聞いてもらえたように思います。謝教授が杭州で行った人工指関節の発表もあり、そのsessionの終了後に私と手外科の長老がSenior consultingsurgeonとしての認定書の授与式があり記念撮影を撮りました。
現地実質1.5泊の忙しい訪問でしたが、充実した時間を過ごしました。帰国後すぐにDr.Luより天津でのワークショップとライブサージャリーの依頼が届きました。
小会場での人工指関節の講演 手外科グループの聴衆、前列中央に謝教授と長老
小関節グループの名誉顧問の認定書の授与式 重鎮たちとの記念撮影