当院で行う日帰り手術
大阪・難波の南川整形外科では、手の外科の手術を日帰りで受けていただけます。
医療技術・医療機器・麻酔技術の進歩により、身体への負担を抑えて手術をすることができるようになりました。
お仕事、家事、育児、介護などの日常生活への影響を最小限に抑えて安全な手術を行います。
少しでも安全が脅かされる可能性があると判断した場合には、信頼のおける医療機関への紹介を行っておりますので、安心してご相談ください。
当院の日帰り手術の特色
6人の手外科専門医
手外科分野の中でもさらに細分化され、得意な分野があります。
南川院長はリウマチ手指変形の再建術および人工指関節の専門家、浜田医師は創外固定を用いた指神経指関節の拘縮の手術を、森友医師はTFCCの手術を得意とし、それぞれ海外での講演や発表も多く正に世界レベルの治療を提供します。骨折や靭帯損傷、マイクロを用いた微小外科などは、数多く外傷を経験する若手医師が得意な分野です。
手術室を3室完備
レントゲンイメージや手術用顕微鏡などを揃えた手術室2室と、リクライニングシートの簡易手術室の3室にはそれぞれ独立した控室があります。
手術実績
患者様のご紹介やHPからの情報発信により、最近は月50件を超えています。内訳では、他の医療機関からの紹介で骨折の手術が増加していますが、その中でも、橈骨遠位端骨折のプレート固定、中手骨に対する髄内固定術が増加傾向です。創外固定を用いた関節受動術、人工指関節手術も増えています。手術数の増加に対応するため、スタッフを増員し、第1手術室と第2手術室を同時に進行することも可能となりました。
※この表は横にスクロールできます。
2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
骨関節手指骨 | 15 | 54 | 45 | 61 | 60 | 90 | 48 | 54 | 43 |
骨性マレット | NA | NA | NA | NA | NA | NA | NA | 24 | 31 |
中手骨 | 3 | 15 | 13 | 19 | 35 | 32 | 45 | 48 | 44 |
舟状骨(手根骨) | 3 | 5 | 7 | 1 | 10 | 11 | 10 | 6(1) | 19 |
橈(尺)骨 | 5 | 14 | 24 | 17 | 32 | 32 | 18 | 16(1) | 32(3) |
肘周辺 | 1 | 1 | 2 | 1 | 3 | 1 | 2 | 3 | 3 |
観血的脱臼整復術 | 3 | 2 | 3 | 4 | 1 | 3 | 3 | 6 | 6 |
指骨延長 | 7 | 12 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
創外固定 | NA | NA | NA | NA | 12 | 26 | 27 | 22 | 63 |
尺骨短縮術(TFCC) | 1 | 3 | 9 | 5 | 12 | 22 | 26 | 22 | 23 |
TFCC形成術 | 3 | 4 | 3 | 3 | 4 | 3 | 3 | 3 | 2 |
手関節形成 | 2 | 11 | 9 | 5 | 7 | 3 | 5 | 3 | 2 |
指関節形成 | 2 | 12 | 2 | 1 | 1 | 0 | 4 | 7 | 0 |
CM関節形成 | 6 | 4 | 11 | 9 | 8 | 11 | 19 | 37 | 28 |
人工指関 | 5 | 4 | 5 | 4 | 14 | 29 | 37 | 59 | 156 |
指関節固定 | 17 | 32 | 24 | 18 | 55 | 31 | 54 | 38 | 36 |
指変形矯正 | 2 | 4 | 1 | 1 | 1 | 9 | 1 | 1 | 7 |
関節受動・制動術 | 1 | 2 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 15 | 16 |
関節滑膜切除 | 2 | 7 | 3 | 2 | 1 | 8 | 10 | 3 | 4 |
抜釘 | 18 | 45 | 80 | 44 | 79 | 95 | 47 | 55 | 63 |
腱全般伸筋腱縫合 | 15 | 31 | 40 | 49 | 52 | 35 | 38 | 64/10 | NA |
腱性マレット | NA | NA | NA | NA | NA | NA | NA | 16 | 19 |
腱縫合屈筋腱 | NA | NA | NA | NA | NA | NA | NA | 10 | 8 |
腱剥離・移行・移植 | NA | NA | NA | NA | NA | NA | NA | 28 | 31 |
伸筋腱脱臼整復 | 2 | 3 | 2 | 5 | 3 | 4 | 3 | 5 | 4 |
靭帯縫合・形成 | 2 | 18 | 18 | 16 | 12 | 26 | 11 | 8 | 9 |
腱滑膜切除 | 4 | 4 | 1 | 4 | 2 | 8 | 7 | 5 | 9 |
腱鞘切開術 | 19 | 29 | 42 | 46 | 46 | 66 | 65 | 103 | 91 |
拇指対立再建 | 1 | 3 | 6 | 4 | 5 | 3 | 2 | 3 | 4 |
神経縫合・剥離 | 2 | 9 | 7 | 14 | 19 | 13 | 8 | 10 | 8 |
肘部・ギオン管 | NA | NA | NA | NA | NA | NA | NA | 8/1 | 4 |
手根管症候群 | 13 | 22 | 24 | 13 | 21 | 22 | 23 | 23 | 30 |
神経再生誘導術 | NA | NA | NA | NA | NA | NA | NA | 5 | 3 |
動脈皮弁 | 3 | 11 | 3 | 2 | 2 | 3 | 5 | 5 | 4 |
ガングリオン | NA | NA | NA | NA | NA | NA | NA | 59 | 64 |
軟部腫瘍 | 24 | 30 | 75 | 41 | 50 | 88 | 73 | 40 | 20 |
グロームス腫瘍 | NA | NA | NA | NA | NA | 2 | 5 | 20 | 22 |
デピュイトラン拘縮 | 1 | 7 | 4 | 4 | 8 | 3 | 3 | 14 | 9 |
瘢痕拘縮 | 5 | 5 | 4 | 4 | 8 | 3 | 3 | 0 | 0 |
眼瞼下垂 | 0 | 20 | 19 | 8 | 12 | 0 | 2 | 2 | 0 |
手術件数 | 187 | 423 | 491 | 407 | 564 | 657 | 583 | 831 | 873 |
手術症例数 | NA | NA | 477 | 379 | 527 | 551 | 509 | 748 | 717 |
手術実績から見る当院の手術内容の傾向(2023年春)
長い期間手術実績の報告を掲載せずに申し訳ありません。ゴールデンウィーク明けに、新型コロナ感染症の感染症法上の位置付けがインフルエンザと同じ5類となります。先駆けて海外渡航、外国人の受け入れも規制がほとんどなくなり、観光地での賑わいがメディアで取り上げられています。感染者の増加もあとしばらくは注意が必要かもしれません。大病院では、診療体制にまだまだコロナの影響が残っているようですが、クリニックレベルでは、感染対策を行いながらほぼ通常体制に戻っています。遠方からの問い合わせや来院も増えています。
手術実績のデータから、現在行われている手術内容の増減と傾向を調べてみました。手術内容は、骨折は部位別に分類、靭帯損傷は縫合と形成術を、神経は縫合、剥離、神経種をまとめて、腱縫合は屈筋腱、伸筋腱を未分類で縫合・移行・移植・剥離も含めています。大まかな分類として報告します。
手術データは、手術内容の件数なので、1人の患者(症例)に人工指関節を2本に行えば人工指関節が2件とカウントしています。骨移植や創外固定は主となる手術の追加操作なので手術件数のカウントには計算されていません。従って、症例数は手術件数よりかなり少くなります。手術内容の変化を考察するために、2015、2016、2017の3年間の手術件数の平均値440を基準値として比較してみました。
手術件数は440から2018:564(128%)、2019:657(149%)、2020:583(132%)、2021:831(189%)、2022:873(198%)となっています。2020年のみ前年度より減少したものの、毎年増加し昨年は5年前の2倍となっています。内容別では、著しい増加は、人工指関節(50倍)とCM関節形成術(4倍)、次に目立った増加は指関節の関節受動術、舟状骨骨折、グロームス腫瘍とデピュイトラン拘縮が挙げられます。DIP関節固定が一時期増加し少した後に減少しているのはシリコンインプラント手術の増加によるものです。中手骨骨折が約3倍と増加した後ほぼ安定しているのは、地域柄社会人が多いので、小切開での髄内釘手術がギプス固定より好まれるためでしょう。また、指関節の関節内骨折による難易度の高い症例の紹介が増加し、創外固定を併用した手術が増えています。コロナ蔓延期にマレット骨折、橈骨遠位端骨折が明らかに減少したのは、外出機会の減少に一致したものでしょう。
腱損傷では、救急病院ではないので、屈筋腱の新鮮外傷は極めて少なく、指神経損傷の合併例の紹介が時々ある程度で、陳旧性屈筋腱損傷は年2~3例程度です。一方、腱性マレットに対する皮膚形成を併用したTenodermodesis法による伸筋腱縫合術は一定数(15例前後)行っています。橈骨遠位端骨折、手根管症候群、靭帯縫合はほとんど変化がありません。他の施設で日常的に行われているのが原因かもしれません。
手の変形性関節症は、エクオールの販売と関連記事などの影響で全国的に患者の注目を浴びたことで初診患者とネットでの問い合わせが著しく増えています。最近の報告や学会発表で明らかになってきたことは、60才以上では約50%、90才以上では90%にヘバーデン結節、ブシャール結節、拇指CM関節症のいずれかがが発生すると報告されています。へバーデン、ブシャールに対して人工指関節手術を積極的に行っている施設は全国的にも少ないので、他府県からの受診も増えています。舟状骨偽関節に対するマイクロ下の血管柄付き骨移植術も年2~3例は行っています。腱移行術やキーンベックなど手外科特有の手術がまだまだ少ないのは、クリニック自体の知名度不足で今後学会発表などを通して紹介症例が増やせるように努力したいと思います。
日帰り手術のメリット
日常生活への影響を最小限に留めます
入院すれば、数日から1週間、もしくはそれ以上、学校や仕事を休まねばなりません。また、家事や子育て、介護を抱えている方にとっても、入院することで日常生活が大きく乱されます。
以前はこういったことは「仕方ないこと」とされていましたが、医療技術・医療機器・麻酔技術の進歩により、身体への負担を抑えた手術が可能になったため、日帰りで、質を落とすことなく安全に受けていただける手術が増えて参りました。
日帰りで手術を行うことで、学校、仕事、家事、子育て、介護といった、普段の生活への影響は最小限に抑えられます。手術部位や手術内容によって異なりますが、ほとんどの日帰り手術は、翌日、もしくは翌々日から、デスクワーク、家事といった日常生活に復帰していただけます。
入院準備・手続きの省略で、ご本人とご家族の負担減
入院のための準備、手続きを行う際は、ご家族の助力、付き添いなどが必要になりますが、日帰り手術ですと、これらを大幅に省略することができます。
病室での生活は、たとえ小さな手術であっても、マイナス思考が働きがちです。日帰り手術は、患者様、そして患者様のご家族にとって、心身のストレスの少ない選択肢と言えます。
経済的負担の軽減
入院した上で手術を行うと、全体の費用のうち「入院費」がかなりの割合を占めることになります。
日帰り手術では、当然入院費は必要ありません。同じ内容の手術を、入院手術と日帰り手術で比べた場合、日帰り手術の方が約2~5割、治療費が少なくて済みます。
任意保険に加入されている場合には、予め契約内容を保険会社にご確認ください。さらにご負担金を抑えられる可能性があります。
多くの疾患に対して日帰り手術が可能な術式・設備が整っています
当院の医師は、常に最新の医療情報へのアンテナを張り、技術・知識を修得する意欲を持っています。
また、次々と開発される医療設備につきましては、その有用性・安全性を認めたものを随時導入しております。
患者様のお身体への負担を最小限に抑える術式・設備が揃っておりますので、多くの疾患についての日帰り手術が可能です。
日帰り手術の流れ
緊急の外傷では、可及的速やかに手術室で縫合、骨折整復などを行いますが、手術目的の紹介の場合でも通常は外来診察を受けてからの予定手術となります。
外来受診
まず手術は外来で一度お越しいただき、医師による診察を受けていただきます。必要に応じて、レントゲン、MRI、CTなどの検査を行い正確な診断と手術方針を決定します。この際、手術以外の選択、手術方法の選択など患者様に説明いたします。
手術のご説明・日程調整
手術が決まれば、当日までに手術内容について術者から詳しく説明があり、手術承諾書を作成し記名いただきます。日程調整に当たっては、緊急性のない場合にはご本人やご家族の予定などもご確認ください。
仕事内容や復帰までの期間、術後の創処置やリハビリテーションの頻度と間隔も極めて大切になりますので、医師や看護師と相談の上、決定させていただきます。
手術前の採血は、糖尿病の有無や感染症などの確認が必要なので若年者などを除き、通常全員受けていただきます。手術前の準備などはこの時点で看護師から説明いたします。
手術当日
実際の手術が始まる最低1時間前には来院いただきます。手術前にお着替え、トイレ、点滴の確保が手術前に必要な準備です。術者との面談(家族など)が必要な場合は十分余裕をもってご来院ください。
15分程度の短時間の手術には、局所麻酔下で対応しますが、30分以上の手術には、上腕での駆血帯(出血を止めるバンド)による痛みがあるので、上腕部神経ブロック(エコーを使用して、わきの下の神経の周囲に麻酔薬を注入)を行います。6~7時間の除痛効果があります。
上腕部神経ブロックを行い、手術控室のベッドで横になり、十分に麻酔が効いた時点、通常30‐45分で手術室に入り、上腕部に駆血帯を巻き、消毒に移ります。
看護師と医師が手術用のガウンを着て、手術の機器を並べて実際の手術が始まります。
術後の説明
点滴抜去、レントゲンなどの処置の後、アームスリングで患肢を挙上して帰宅していただきます。
手術担当医から術後の説明があり、術後のリハビリ、次回通院日などの説明があります。飲水と食事は特に制限ありません。鎮痛剤と抗生物質の服薬は、帰宅後すぐに開始し、夜間帯の前に指示があれば座薬の使用をしていただければ、麻酔が切れてきても強い痛みは回避できます。枕、布団などで患肢をなるべく心臓より高い位置に保持することで、術後の出血、腫脹を軽減させることが可能です。